「雲菱格子龍鳳紋(くもびしこうしりゅうほうもん)」は、雲を菱形に配した格子文様の中に、龍と鳳凰を丸型に意匠化した裂地(織物文様)で、吉祥を象徴する極めて雅やかな柄です。旧彦根藩井伊家に伝来した名物裂として茶道具に用いられています。
雲菱(くもびし)
- 雲紋は古来より瑞祥(めでたい兆し)とされ、寺院や神社の紋章にも多く使われました。
- これを菱形に意匠化したものが「雲菱」で、氷川神社の神紋にも見られる格式ある文様です。
格子文様
- 格子は「安定」「秩序」を象徴する幾何学文様。
- 雲菱を格子状に配することで、吉祥性と整然さを兼ね備えた背景を作り出します。
龍鳳(りゅうほう)
- 龍と鳳凰は中国で麒麟・亀と並ぶ四霊とされ、権威・繁栄・調和を象徴します。
- 雲菱格子の上に丸型に文様化された龍鳳が配され、華やかさと荘厳さを添える構成になっています。