「清風萬里秋(せいふうばんりのあき)」は、禅語や茶道の世界で親しまれている、秋の清らかさと心の静けさを象徴する美しい表現です。
基本情報
- 読み方:せいふうばんりのあき(清風萬里秋)
- 出典:『古尊宿語録』や『五灯全書』などの禅籍に見られる表現
- 原文:「昨夜一聲鴈 清風萬里秋(さくやいっせいのかり せいふうばんりのあき)」
禅的な意味合い
- 悟りの比喩:一声の雁の鳴き声が、長い修行の末に訪れる「悟り」の瞬間を象徴しています。悟りを得た瞬間、心のもやが晴れ、清々しい境地が広がる様子を「清風萬里秋」で表現しています。
- 一即多・多即一:一つの出来事(雁の声)から、全体(秋の訪れ)を悟るという、禅の「一を知りて十を知る」思想にも通じます。
茶道との関わり
- 掛軸の禅語として人気:茶室の床の間に掛ける掛軸に用いられることが多く、秋の茶会にぴったりの言葉です。
- 心の清らかさを促す:清風は心を洗い清める象徴であり、茶会に臨む際の心構えを整える役割も果たします。